デンマーク オーフス滞在記 その1
【見習いたいデンマーク人の家具に対する愛着】
ご縁があって1週間ほど家族でコペンハーゲンに次ぐ第2の都市、オーフスに滞在する機会に恵まれた。
イェンさんとエリヴィアさん夫婦はオーフスの中心地から車で45分ほどの、静かな田舎に住んでいる。
イェンさん夫婦は定年退職をすでにしており静かに暮らしている。
イェンさん夫婦は、数年前にイェンさんが腰椎の手術をし、下半身に若干の不自由が残るため、おもいきって完全バリアフリー設計の家に建て直したという。
地下も2階もなく、段差がどこにもない完全平屋の一軒家。
2019年に初めてお邪魔した際に
嫁、子供も来たら絶対良い!!!
と強く思った。
そのおかげで、一年後にこうして家族でお邪魔することが実現した。
広々したスペースにソファや、椅子、テーブルが複数設置されている。
何気なく置かれているシンプルで機能性の高いソファ。
なんとイェンさんのおじいさんの代から使いつづけているとのこと。
50年、100年ものの家具が今も現役でしっかり活躍している。
それもIKEAの家具などと平気で共存している。
どれが新しくて、どれが古いのか、よくわからなくなってくる。
デンマーク家具、北欧家具のシンプルなデザインがなせる業?
イェンさんのお友達(ダリスさん)のお家にも、ダリスさんのおばあちゃんが使っていた机が鎮座していた。
他にも、旦那さんが定年退職まで使い続けた役所の椅子が置いてあったり、
80年代の電話機が今も現役で使われていたり、古時計が現役で心地よいベルを鳴らしていたり。
「断捨離」が定着してきた感のある昨今だが、やっぱり、ただものを減らせば良いってもんじゃない。
数年前から「タイニーハウス、スモールハウス」のムーヴメントが世界的に起こっているが、タイニーハウスは実現した人々の中には、それでハッピーエンドじゃなかった人もいるそうだ。
ダイエットも、断捨離も、それを達成して終わりではない。
断捨離して、その後、新たに買い足す人、ダイエットしてリバウンドする人。
自分の自宅に父や母、祖父、祖母が使っていた家具や物がはたしていくつあるだろう。
悲しいかな、ほとんど思い当たらない。
現在の「大量生産、大量消費社会」を変えなければいけない。
僕は、イェンさんが笑いながら自慢気に
「これは自分の祖父の時から使い続けているソファとテーブルさ!」
と言える彼らを見習いたいと強く思った。