ポーランドにて その1
2019年のヨーロッパの旅はワルシャワからスタートした。
高校時代からの友人、ツチヤニボンドの記念すべきファーストアルバムでドラムを叩いている土方くんがワルシャワに住んでいるからだ。
2009年に高野山に引っ越して、整骨院開業して、軌道に乗せるまでのつい最近まで海外に行くようなきっかけも、時間も金もなかった。大阪に高野山から毎日通った下積み時代の時は200円の「かけうどん」に「かき揚げ」をトッピングすることが最高の贅沢だった。
そんなわけで、ヨーロッパの長旅に一抹の不安もあった。そんな中、土方君がポーランドにいてくれたのは本当に心強かった。安心してヨーロッパの旅をスタートさせることができた。
ポーランドでは、土方君の友人を治療した。
治療に関することは英語でMediumに書いている
https://medium.com/search?q=takamasa%20tsuchiya
友人(チャド)は数か月前に転倒して肩と膝を負傷したという。
ワルシャワでIT系の仕事に従事しているそうで、閑静な住宅地のマンションに住んでいる。
チャドの自宅には、ぶら下がり健康器具が備え付けられていて、彼は毎日それを使って筋力トレーニングをしているという。
何でも熱心に研究する癖があるチャドは土方くんの演奏をみた数日後、長い長い感想とアレコレ重箱の隅をつつくような質問で一気に攻めてきたという。
このぶら下がり器具も、彼なりに色々調べて自宅リハビリの最善策として選んだものだという。ワルシャワではこの器具がそこそこ流行っているとも言っていた。
僕も体操日本代表な気分でぶら下がってみたが、かなりキツイ。
ちなみに日本の医療機関では「レッドコード」という、このぶら下がり器具を発展させたものが数年前から注目されている。
負傷したチャドの肩の柔軟性は大分損なわれていた。
筋トレしている分、肩周辺と上腕、前腕、胸筋は発達していた。だが、経験上、いかにも「筋トレしました!」的な筋肉のつき方だ。
どうやら「筋肉をつける、筋力を上げる」ことに注意が向きすぎていて、「関節」には意識が行ってないようだった。
みんな「筋肉」ばっかりに意識が行ってしまう傾向は世界中どこも同じだ。
日本でも他の病院でも「〇〇の筋肉をつけなさい」って言いながら、痛み止めの薬だけを処方するお医者さんがなんと多いことか。
ざっと全身治療を施したあと、チャドには自身の関節を柔らかくするエクササイズと、背骨のラインを自然なカーブにもどし、全身の協調性を高めるオリジナルエクササイズを指導した。
案の定、チャドは疑問に思ったことなどアレコレ質問してきた。
つたない英語でなんとか僕も頑張って質問に答えた上で最後に
「Don’t think, Feeeeeeeel 」
と、ブルースリーのようにアドバイスした。