クロスバイクで高野山 【ぐるっと 紀伊細川、紀伊神谷、矢立茶屋 編】
高野山に移住する際に一緒に持ってきた赤いコルナゴのクロスバイク。10年ぶりに修理をして最近乗りはじめた。
そして、この前偶然、NHKの「チャリダー」という本格的な自転車番組に出くわした。番組では「坂バカ」と称して全国各地の坂がある自転車コースを紹介していた。みんなヒーヒー言いながら「坂気持ちいい!」とか叫んでいた。
衝撃だった。
「サイクリストはみんなMなのか?…」
とか
「こういう楽しみ方もあるんだ…」
と、僕にとっては新鮮で妙に納得してしまった。
というわけで、僕も体感してみたい!!!という欲求にかられはじめた。僕は山の上(高野山)に住んでるから坂なんか探さなくてもすぐそこにある。
移住して10年間車で何げなく走っていた道を自転車であらためて走行してみようと思った。
車を走らせているとちょくちょくサイクリストが高野山の坂を走っているのを見かける。今までは
「よくもわざわざ自転車でくるよな~ご苦労なこった。。。」
と冷めた視線を車から送っていた自分は何だったのか。。。
1週間前に試しに極楽橋~高野山 を往復してみたところ意外にすんなりいけた。緩めの坂は低速ギアで思っていたよりもスムーズに上がっていけた。
あんまり急な坂が続くとしんどくなるが、わりかし良い感じの坂が続くうえ、距離も素人サイクリストにとっては最適かつ手軽に楽しめる距離だった。
というわけで今回は距離を伸ばして、高野山から紀伊神谷、紀伊細川まで降りていき、矢立の茶屋に出る小道を通って、国道に出て、高野山にもどってくるルートにチャレンジした。距離にして20km、2時間で走破できた。(何度もいうが僕は素人サイクリストです。鼻で笑わないでね)
高野山~極楽橋間の坂は緩やかなのだが、紀伊神谷駅に周辺は急坂がいくつかある。
紀伊神谷駅を抜けて踏切を越えると急坂があり一気に細川集落に抜ける。
急な坂をブレーキをかけてハンドルを持っていかれないように注意して走行するのも意外と大変なんだなと感じた。
道はコンクリートで舗装されてはいるものの、ガタガタと、電気ドリルで工事し続けているような振動がダイレクトに伝わってくる。
無事に坂を下り終えて、最初の移住地である東細川集落に到着。
実は移住した最初の4年間はここ細川に住んでいたのだ。
イノシシ、鹿、蛇、カエル、車しか通らない道を毎朝通勤で歩いた。当時は大阪に勤めに出ていたのだ。高野山には寝に帰るようなものだった。独立開業する前の過酷な下積み時代。極貧。もう同じ生活はしたくないし、できないだろう。笑
紀伊細川駅そばには「八坂神社」という神社があり、細川集落のお祭りなどはこの八坂神社で行われている。
僕は高野山の移住後の2010年に結婚したのだが、嫁は細川地区の「地域おこし協力隊」だったこともあり、この八坂神社で結婚式を挙げ、ちかくの廃校「細川小学校」のグラウンドで披露宴を行った。
「俺は高野山~神谷、細川をガイドするとしたら、ここで○○な話をして…」
なんて自転車でチンタラ走りながら考えた。色んな思い出があるエリアだ。
10年前と比べると、やっぱり人口は減ってしまった。あの頃元気だった人も亡くなってしまったり、医療機関等の関係で山を降りてしまったり…
少し寂しい気もしたがしょうがないっちゃ、しょうがない。
「定年退職後、田舎暮らしに憧れて移住」っていうのはよく聞く話だが、高野山の中腹の限界集落の山道はお年寄りにはしんどいし、転倒のリスクも大きい。そして医療機関が遠い。
実際住んでみると、一長一短あるものなんです。(しんみり)
細川小学校を嫁は以前、手漉き和紙の工房として利用していた。
それもあり、ちかくでトロロアオイを栽培している。ちょうど花を咲かせていた(写真)
矢立の茶屋に抜ける道の途中にバナナの葉?のような、南国を思わせる葉が生い茂っているポイントがある。
10年前は一本くらいのかわいいもんだったはずなのだが、、、
いつの間に巨大になっていてびっくり
矢立の茶屋にたどりつく直前の急坂を上がり、かつて「美味しんぼ」でも紹介されているやきもち屋さんへ。
高野山周辺に住んでいる人は誰もが知っているし、ここのやきもちは、ちょっとしたお土産にもなる。おすすめ。もちもちしていて、こしあんが美味しい。
軽く休憩をして、国道にでる。ここまででちょうど1時間くらいだった。
ここからひたすら比較的緩めで、くねくねした道を上がる。
高野山に到着する直前あたりでしんどくなってきた。
ひとりで「あー」とか「うー」とか「わんわん」とか叫んで気を紛らわす。
小雨も降ってきたが、霧がかかった高野山は幻想的できれいだ。
13時ちょい前に出発して、15時ちょい前に無事帰還。
整骨院の裏の報恩院さんが最近不定期でカフェをやっている。
ナイスタイミングで看板が出ていたので、迷わず、ドロップイン。
いやーたのしかった。